業務を効率化しようと自動化ツールを作り始めたものの、なかなか思い通りに動かない。そんな経験はないでしょうか。
機能を追加するほど複雑になり、途中で「そもそも何を自動化したかったのだろう」と迷ってしまうこともあります。
このようなときは、いきなり作り始めるのではなく、対象の仕事を一度だけ手作業で行ってみると、自動化すべき部分が見つけやすくなります。
自動化の前に手作業をするのは遠回りではない
自動化したいのに、先に手作業をする。一見すると、効率が悪いように感じるかもしれません。
しかし、実際の作業を経験しないまま自動化を始めると、次のような問題が起こりやすくなります。
- どの作業を自動化すべきか決められない
- 必要のない機能まで作ってしまう
- 例外が出るたびに修正が増える
- 人が確認すべき部分まで機械に任せてしまう
手作業で一度通してみる目的は、作業を完璧に覚えることではありません。自動化できる部分と、人が判断する部分を見分けることです。
作業を2種類に分けて考える
手作業をしながら、作業を次の2種類に分けます。
- 毎回同じ作業
- 人が判断する作業
「毎回同じ作業」とは、条件や手順がほとんど変わらず、同じ操作を繰り返す部分です。こうした作業は、自動化に向いています。
一方、「人が判断する作業」は、内容を確認したり、状況に応じて対応を変えたりする部分です。最初から無理に自動化せず、手作業として残す選択肢もあります。
請求書の整理で考えてみる
例えば、届いた請求書を整理する作業を考えてみましょう。
毎回同じように行う作業には、次のようなものがあります。
- ファイル名を決まった形式へ変更する
- 指定されたフォルダへ保存する
- 処理した日付を記録する
これらは手順が明確なので、自動化しやすい部分です。
一方で、次のような作業には人の判断が必要になる場合があります。
- 請求金額に違和感がないか確認する
- 請求内容が契約と合っているか確認する
- 不明な請求を担当者へ問い合わせる
最初からすべてを自動化しようとせず、ファイル名の変更や保存だけを自動化する方法もあります。これだけでも手作業は減り、自動化の仕組みも複雑になりにくくなります。
必要な機能だけを作れるようになる
作業を先に分けておくと、自動化ツールに必要な機能が明確になります。
請求書の例なら、最初に必要なのは高度な判断機能ではなく、「名前を変えて保存する機能」かもしれません。
作る範囲を絞ることで、次のような変化が期待できます。
- 何を作ればよいか迷いにくくなる
- 必要のない機能を減らせる
- 小さな範囲から動作確認できる
- 修正する場所を特定しやすくなる
自動化は、すべての作業を機械へ任せることではありません。繰り返し作業を減らし、人が判断に集中できる状態を作ることが目的です。
自動化を始める前の簡単な手順
自動化したい作業が見つかったら、次の順番で整理してみましょう。
- 対象の作業を一度だけ手動で行う
- 行った操作を順番に書き出す
- 毎回同じ作業へ印を付ける
- 判断が必要な作業を分ける
- 毎回同じ部分だけ自動化する
最初から完成形を目指す必要はありません。小さな繰り返し作業を一つ減らすだけでも、十分に自動化の効果を得られます。
まとめ
自動化で迷わないためには、ツールを作り始める前に、対象の仕事を一度だけ手作業で行うことが有効です。
覚えておきたい判断基準は、次の2つです。
- 毎回同じ作業は、自動化の候補
- 判断が必要な作業は、まず手作業として残す
まずは身近な作業を一度行い、「毎回同じ」と「人が判断する」に分けるところから始めてみてください。作るべき機能が見え、自動化の途中で迷う時間を減らしやすくなります。


コメント