夜間の本番作業でエラーが発生し、手が止まった経験はありませんか。
作業手順は用意していたのに、「このまま続けるべきか」「元に戻すべきか」が判断できない。こうした迷いは、技術力だけの問題ではありません。失敗した場合の動きを決めていないことが、焦りの原因になっている場合があります。
成功手順だけでは、想定外に対応できない
本番作業では、設定変更やシステム更新を成功させるための手順書を用意します。
しかし、実際の作業では想定外のエラーが起こることもあります。成功手順しか決めていないと、エラーが出た瞬間に判断が必要になります。
焦った状態で判断すると、次のような行動につながりかねません。
- 原因が分からないまま作業を続ける
- 元に戻すタイミングを逃す
- チーム内で判断が分かれる
- 復旧までの時間が長くなる
大切なのは、失敗を完全になくすことではなく、失敗したときの動きを事前に決めておくことです。
「戻し方」を作業前に決める
まず確認したいのが、問題が起きた場合にどの状態まで戻すかです。
ITの現場では、変更前の状態へ戻すことを「切り戻し」や「ロールバック」と呼ぶことがあります。難しく考えず、「うまくいかなかったら、どう元に戻すか」と捉えれば十分です。
例えば、設定を変更する作業なら、事前に次の内容を確認します。
- 変更前の設定を記録したか
- 元の設定へ戻す手順があるか
- 戻した後に何を確認するか
戻し方が決まっていれば、エラーが発生しても次の行動へ移りやすくなります。
「中止条件」もセットで共有する
戻し方だけでなく、作業を止める条件も決めておきます。
例えば、「想定外のエラーが出たら中止する」「決めた時間までに完了しなければ元へ戻す」といった条件です。
中止条件がないと、担当者は「もう少し続ければ直るかもしれない」と迷います。先に条件を共有しておけば、個人の感覚だけに頼らず、チームとして止める判断ができます。
本番作業以外にも使える考え方
この準備は、システムの本番作業だけに限りません。
資料の一括修正、業務ツールの設定変更、データの更新など、元の状態へ戻しにくい作業にも応用できます。
作業を始める前に、次の一言を確認してみてください。
失敗したら、どこまで戻しますか?
この質問があるだけで、成功した場合だけでなく、失敗した場合の動きも共有できます。
まとめ
本番作業では、成功手順を用意するだけでは十分でないことがあります。
作業前に決めたいのは、次の二つです。
- 問題が起きた場合の戻し方
- 作業を止める中止条件
まずは次の変更作業で、「失敗したら、どこまで戻すか」をチームで確認してみてください。事前の短い確認が、想定外の場面での焦りを減らしてくれます。


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